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1976年〜1988年 大阪市民管弦楽団在籍  活動記録
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ザ・シンフォニーホールで、初めての定期演奏会(26回)、指揮は金洪才氏

 今まで定期は厚生年金会館でしたが、創立15周年記念として、プロの指揮者金氏が棒を振りました。実力ともに、関西アマオケのトップクラスとなりました。

26  1985
12. 1(日) 
シ  交響曲第40番ト短調K550(モーツァルト) 木村 俊明  
交響曲第5番ニ短調(ショスタコービッチ) 金   洪才

木村氏の市民オケに寄せて(パンフレット)より

私と市民オケの出合いは、数年前まだ大フィルに在籍中、前団長の井村氏からのBassのトレ−ナーとしての依頼を受けた時からです。
 「オーケストラの土台はBassです。この土台をなんとかしっかりさせて下さい」井村氏の熱意に説得された私は心よく引受けました。
 土曜日夕方の特別練習が始まりました。メンバ−もよく練習してくれたし、私もついつい終了時問を忘れてしまうほどでした。ところがそのうち「チェロも一緒に練習に参加させてくれないか」とか、最後には「ヴィオラもお願いします」となり、済し崩し的にいわゆる低弦セクションの分奏を世話することになりました。
 「これは井村氏にはめられた」と思った時はすでに時遅く、泥沼(失礼)にどんどんとはまり込んでいってしまったのです。
 しかしこの泥沼は私にとってとても心よいそれでした。音楽に興味を持ち、何か楽器を弾きたい。そして願わくはアンサンブルをしたい。金もうけをするでもなく、反対にお金をはらってでもやりたい。そんな純粋な気持を持っている人達と接する時、私の心は洗われるような気がしました。
 オ‐ケストラが上手になるには、メンバ−一人ひとりの技術の向上が大切です。そのことは皆もわかりきっているのですが、会社勤めや主婦といった多忙な生活の中で練習時間をとることは非常な困難が要求されます。ジレンマを感じながら練習に参加している人も多いと思います。練習が終って「福えびす」(赤ちょうちん)が、市民オケのメンバ−で満員になるのは、そんな気持を少しでも癒したいがためではないでしょうか。
 しかし、毎週金曜日仕事や時間をやりくりして練習場に駆けつるその熱意だけは、私にひしひしと感じさせてくれます。
 プロのオ‐ケストラですら大変な難曲、大曲をアマチュァのオーケストラが挑む。一見無謀な行為のように受けとれますが、その純粋な気持、燃えるような熱意、誠実な練習、それらをもってすれば大きな壁の一部を崩す事は可能だと思います。どうかこの市民オケを長い目で応援してやって下さい。可能性はいっぱい持っているのですから。
 15周年というひとつの節目を迎え、これから増々の進歩、向上があらんことを祈っております。

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